アキラ AKIRA-9 蒸気機関車は、ゆっくりと終着駅に近づいていた。車輪のきしむ音、リズムよく鳴る汽笛――けれどその日、少年の心は別の音に耳を澄ませていた。石炭をくべる釜戸の中に、ひときわ赤く輝く塊があった。握りこぶしほどのその塊は、今にも溶けそうなほど真っ赤に... 2017.12.10 アキラ