アキラ

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AKIRA-4

夏はやっぱり花火とは言っても大好きなのは水中花火だ、橋の上から 川に花火を投込み水中でのスローモーションの花火を見るんだ。導火線にライターで火を付け、一、二、三とカウントしながらタイミングを狙う 早く投げてしまうと導火線が燃え尽きる前に水面...
アキラ

AKIRA-3

電話のベルの音で目を覚ます、「はい、川崎です」と応えると「ばあちゃんに代わって」 「ばあちゃんは今いないです」「じゃ帰っち来たら松崎の南から電話あったっち 言っちくれ」「はい分かりました」で会話が終わった。電話で目を覚ましたので、また畳の上...
アキラ

AKIRA-2

今日はいつもにもなく朝焼けだ、九州の夏は朝から蒸し暑くてたまらない。ばあちゃんは昨日から親戚の家に行って居ない、家に居るのは僕一人 気が付けば、空にはもくもくと入道雲が綿菓子より早く出来て行く。さっき迄あんなに晴れていたのに刻一刻と暗くなっ...
アキラ

AKIRA-1

AKIRA、日本の片田舎に末っ子の男子として昭和時代に生まれた。共働きの親と兄そして祖母の5人家族、親と接する時間は夕食のときだけ、 食事中も会話もなくただ黙々と食する。そんな、AKIRAは家族と会話するより、もくもくと大きくなる入道雲を見...