アキラ

アキラ

AKIRA-13

テレパシーの存在を知ってしまったあの日から、私の心に灯った好奇心は、静かに、けれど確実に燃え広がっていった。「一体、誰と誰が繋がっているんだろう?」街を歩くたび、カフェで隣に座るカップルや、電車で目を合わせる学生たちが、ひそかに心で会話を交...
アキラ

テレパシー

AKIRAが気になってるテレパシー発見!
アキラ

AKIRA-12

見えないものの存在――ラジオもテレビも、電波という名の電磁波で繋がっていることは、誰もが知っている。けれど、テレパシーはどうなのだろう?まったく違う場所にいる二人が、何の媒体も通さずに心で会話を交わす。電磁波も、電話線も、Wi-Fiすら介さ...
アキラ

AKIRA-11

見えないのに、聞こえないのに――どうして? どうなってるんだ?ポケットに入るほどの、ちっちゃなちっちゃなイヤホンから、まるで誰かが耳元で囁いているみたいに、はっきりと流れてくるラジオの声。けれど、辺りを見渡しても、誰もしゃべってなんかいない...
アキラ

AKIRA-10

「鳥のように飛べたら、どんなに楽しいだろうか…」そんな夢を胸に抱えながら、Akiraは今日もひとり、家の窓から空を見上げていた。彼はいつも留守番だった。家族が出かけるたびに手を振って見送り、ドアが閉まる音を聞いたあと、しんと静まり返る部屋で...
アキラ

AKIRA-9

蒸気機関車は、ゆっくりと終着駅に近づいていた。車輪のきしむ音、リズムよく鳴る汽笛――けれどその日、少年の心は別の音に耳を澄ませていた。石炭をくべる釜戸の中に、ひときわ赤く輝く塊があった。握りこぶしほどのその塊は、今にも溶けそうなほど真っ赤に...
アキラ

AKIRA-8

釜戸の中は、まるで地獄の入り口のように真っ赤だった。煮えたぎる炎が、底から上へと揺れ、そこにあるものすべてを赤く染めていた。「この中に何を入れても、全部真っ赤になるのかな…?」Akiraの頭にふと浮かんだその疑問が、次の遊びのきっかけになっ...
アキラ

AKIRA-7

あのうだるような夏も、いつの間にか遠ざかり、朝夕にはひんやりとした風が頬をなでる季節になった。そんな頃になると、Akiraは風呂焚きが楽しみでならなかった。風呂焚きの始まりは、いつだって「水を張る」ところから。だけど、空っぽの湯船がいっぱい...
アキラ

AKIRA-6

星が、今にも空から降ってきそうだった。その夜、Akiraはいつものように、川沿いの欄干に腰かけて、夜空を見上げていた。川のせせらぎが、遠い誰かの歌声のように静かに流れてくる。空には無数の星たちが瞬き、まるでAkiraの存在を、静かに見つめ返...
アキラ

AKIRA-5

夜の川辺は、しんと静まり返っていた。遠くで蛙の鳴き声がぽつりぽつりと聞こえるだけで、風もなく、水面は鏡のように穏やかだった。Akiraは、橋の上からじっと水面を見下ろしていた。片手には、すでに火をつけたロケット花火。緊張で少し汗ばんだ手の中...