AKIRA-13

テレパシーの存在を知ってしまったあの日から、
私の心に灯った好奇心は、静かに、けれど確実に燃え広がっていった。

「一体、誰と誰が繋がっているんだろう?」
街を歩くたび、カフェで隣に座るカップルや、電車で目を合わせる学生たちが、
ひそかに心で会話を交わしているのではないかと、つい目で追ってしまう。
何気ないしぐさ、突然の笑顔、ぴったりのタイミングでの反応――
そのすべてが、テレパシーの証に思えてならなかった。

そんなある夜、何気なく見ていた連続ドラマのワンシーンが、私の想像に拍車をかけた。
仲の良い友達同士が、言葉を交わさずに心を通わせている…。
画面越しのその描写は、あまりにも自然で、リアルだった。

「やっぱり、あるのかもしれない」
そう思った瞬間、胸の奥からふつふつと湧き上がってきたのは、
ただの興味を超えた、強烈な憧れ。

私はもう、後戻りできなかった。
テレパシー――その不思議な力の真実を、どうしても知りたくなってしまったのだ。

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